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金利が上がると債券価格が下がる——最初は誰でも逆に感じる話

FP学習のコツ最終更新 2026-07-24

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

金融資産運用で多くの人が一度は引っかかるのが、市場金利が上昇すると債券価格は下落するという関係です。金利が上がるなら、債券も得になって価格が上がりそうに感じます。

ポイントは、債券価格を「将来受け取るお金を、今の価値に直した合計」と考えることです。そうすると、値動きの方向だけでなく、なぜ債券によって動く大きさが違うのかまで一本につながります。

市場金利と債券価格の関係を比較しながら考える投資家のイメージ

債券価格の正体は「将来のお金の現在価値」

固定利付債であらかじめ決まっているのは、将来受け取る利息と満期に戻る元本です。市場で売買される価格は、その将来のお金を市場金利で割り引き、現在価値に直して合計したものです。

市場金利が上がると割引率も上がるため、同じ将来のお金でも現在価値は小さくなります。だから債券価格は下がります。 反対に、市場金利が下がると割引が弱くなり、現在価値と債券価格は上がります。

「金利の高い新発債が出ると、利率の低い既発債は値下げしないと売れない」という説明も、同じ仕組みを買い手の立場から言い換えたものです。値下がりすると、固定された利息と償還額に対して購入価格が低くなり、既発債の利回りが新しい市場金利に近づきます。

価格変動の大きさは「いつ受け取るか」で決まる

では、同じだけ市場金利が動いたとき、なぜ債券によって価格変動の大きさが違うのでしょうか。利息をいったん無視し、「将来受け取る100円」だけで比べます。

市場金利が1%から2%へ上がると、100円の現在価値は次のように変わります。

  • ・1年後に受け取る100円:約99.0円 → 約98.0円(下落は約1.0円)
  • ・10年後に受け取る100円:約90.5円 → 約82.0円(下落は約8.5円)

10年後のお金は、変化した割引率を10年分受けるため、1年後のお金より現在価値が大きく変わります。これが、受取時期が遠い債券ほど金利変動に敏感になる理由です。

ここから、試験に出る条件もまとめて導けます。元本を受け取るまでが長い債券や、途中に受け取る利息が少ない債券は、受取額の重心が将来側へ寄るため、価格変動が大きくなります。反対に、元本の受取日が近い債券や、途中の利息が多い債券は、受取額の重心が現在側へ寄るため、価格変動は小さくなります。

デュレーションは「受取時期の平均」

デュレーションは、利息と元本をいつ受け取るかを金額で重みづけした平均的な受取時期です。同時に、金利の変化に対して債券価格がどれほど動きやすいかを示します。

この2つは別々の意味ではありません。平均的な受取時期が遠いほど、割引率の変化を長い期間受けるため、価格変動も大きくなるという同じ因果関係です。

極端な例が、途中の利払いがない割引債(ゼロクーポン債)です。受取額がすべて満期に集中するため、マコーレー・デュレーションは残存期間と一致します。

債券ファンドが値下がりする理由

個別の債券は、価格が下がっても満期まで保有すれば、発行体が債務不履行にならない限り額面で償還されます。一方、債券ファンドは多数の債券を時価評価し、入れ替えながら運用します。

そのため金利上昇局面では、将来の利息と元本の現在価値が下がり、保有債券の時価下落が基準価額に反映されます。特に受取時期が遠い長期債中心のファンドはデュレーションが長く、金利上昇の影響を受けやすくなります。

試験で注意したいポイント

  • ・「市場金利が上昇すると債券価格も上昇する」は誤り
  • ・将来のお金の受取時期が遠いほど、割引率の変化を長く受け、価格変動は大きい
  • ・元本までの期間が長い、または途中の利息が少ないと、受取額の重心が将来側へ寄る
  • ・割引債のデュレーションは残存期間と一致する

まとめ

  • ・債券価格は、将来の利息と元本を市場金利で割り引いた現在価値の合計
  • ・市場金利が上がると割引が強くなるため、債券価格は下がる
  • ・受取時期が遠いほど割引率の変化を長く受けるため、価格変動は大きい

条件を別々に暗記するのではなく、受取時期が遠い → 割引率の影響を長く受ける → 現在価値が大きく動くという一本の流れで考えると、方向も大きさも判断できます。

関連する用語

  • 債券価格と金利の関係
  • デュレーション

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