複数の資産を組み合わせて持つことで、全体のリスクを抑えながら運用する考え方です。「ひとつのカゴに卵を盛らない」イメージです。
- ・期待収益率…その組み合わせから見込める平均的なリターン
- ・相関係数…値動きが似ているか逆かを表す物差し
逆の動きをするもの同士を混ぜると、値動きが打ち消し合って安定しやすい、というのが分散投資の核心です。
FP3級から出てくる用語です。2級・1級でも必要になります。
複数の資産を組み合わせて持つことで、全体のリスクを抑えながら運用する考え方です。「ひとつのカゴに卵を盛らない」イメージです。
逆の動きをするもの同士を混ぜると、値動きが打ち消し合って安定しやすい、というのが分散投資の核心です。
ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を構成比で加重平均した値です。単純平均ではありません。構成比が均等でない限り、単純平均で計算すると誤りになります。
計算手順(3ステップ固定):①構成比を小数化 → ②資産ごとに構成比×期待収益率 → ③合計。
計算例
預金0.1%(構成比50%)・債券1.0%(30%)・株式10.0%(20%)の場合です。
0.5×0.1+0.3×1.0+0.2×10.0=2.35≒2.3%
期待収益率は相関係数の値に左右されません。期待収益率5%と3%の資産を等分に組み入れれば、相関がいくつでも4%になります。
相関係数は−1〜+1の範囲の値をとり、2資産の値動きが似ているか逆かを表します。
表:相関係数の値別にみた値動きの関係とリスク低減効果
相関係数が−1のとき分散投資によるリスク低減効果は最大で、投資割合を調整すればポートフォリオの標準偏差を0にできます。その割合は、2資産の標準偏差をσA・σBとすると次の式で表されます。
Aの比率=σB÷(σA+σB)、Bの比率=σA÷(σA+σB)
例えばσA=10%・σB=5%なら、Aを1/3・Bを2/3にすると値動きが完全に打ち消し合います。逆に+1では2資産が全く同じ値動きをするため、標準偏差は各資産の加重平均どおりでリスクは低減しません。
リターンとリスクの対比が頻出です。期待収益率は加重平均どおり、リスク(標準偏差)は(相関+1でない限り)加重平均以下になります。
リスクは分散投資で消せるかどうかで2種類に分かれます。
銘柄数を増やしても消しきれない市場全体の変動リスクがシステマティック・リスクで、この水準で下げ止まります。
運用効率を測る指標がシャープレシオで、値が大きいほど効率的です。
シャープレシオ=(収益率−無リスク利子率)÷標準偏差
計算例
無リスク利子率1%のとき、収益率7%・標準偏差10%のファンドAと、収益率9%・標準偏差20%のファンドBを比較します。
ファンドA=(7−1)÷10=0.6
ファンドB=(9−1)÷20=0.4
Aのほうが効率的です。収益率が高くても標準偏差が大きければ効率的とは限りません。
正規分布では、収益率は約68%の確率で「期待収益率±1標準偏差」、約95%で「±2標準偏差」の範囲に収まります。期待収益率4%・標準偏差3%なら、±1σ=1.0%〜7.0%、±2σ=−2.0%〜10.0%です。
「相関係数が0のとき2資産は全く同じ値動きをする」は誤り。全く同じ値動きは+1、0は無関係(分散効果は中間)
「相関係数が+1のとき分散投資のリスク低減効果が最大」は誤り。効果が最大なのは−1のとき(+1は低減効果なし)
「相関係数が−1でも標準偏差を0にはできない」は誤り。−1なら投資割合の調整で理論上0にできる
「ポートフォリオのリスク(標準偏差)は加重平均より必ず大きくなる/加重平均と等しい」は誤り。相関+1でない限り加重平均以下(リターンは加重平均どおり)
「期待収益率は単純平均で求める」は誤り。構成比による加重平均(相関係数には左右されない)
「システマティック・リスクは分散投資で除去できる」は誤り。消せるのはアンシステマティック・リスクで、市場リスクは消せない
シャープレシオを「収益率÷標準偏差」としたら誤り。分子は収益率−無リスク利子率、分母は標準偏差(βを分母に用いるのはトレイナー測度)
「収益率が高いファンドほど常に効率的」は誤り。リスク調整後(シャープレシオ)で比較する
正規分布で±1σと±2σを取り違えない。±1σ=約68%、±2σ=約95%
主な一次資料・確認先
ポートフォリオ運用を、問題で身につける
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