コツコツFP用語辞典
コツコツFP 用語辞典›相続・事業承継

小規模宅地等の特例

3級から

FP3級から出てくる用語です。2級・1級でも必要になります。

亡くなった人の自宅や事業に使っていた土地を相続する人の負担を軽くするための特例です。一定の広さまで、その土地の評価額を大きく減らして相続税を計算できます。

残された家族が住まいや商売を続けられるように、という配慮の制度です。土地の価値がそのままだと税金が重くなりすぎるのを防ぎます。

表:小規模宅地等の特例の区分別の上限面積と減額割合

※税額0円になる場合でも申告しないと適用されない

ここからFP2級で覚える範囲
区分ごとの限度面積と減額割合2級からひらく ▼とじる ▲

宅地の使いみちによって、減額できる限度面積と割合が決まっています。

表:小規模宅地等の特例の区分別の限度面積と減額割合

「特定」とつくものは80%減・貸付は50%減、と覚えます。限度面積を超える部分は減額されません。

たとえば440㎡の自宅敷地(評価額8,800万円)なら、減額は

8,800万円×330㎡/440㎡×80%=5,280万円

課税価格への算入額は3,520万円になります。

取得者ごとの適用要件2級からひらく ▼とじる ▲

特定居住用宅地等は、誰が取得するかで要件が変わります。

  • ・配偶者:無条件で適用可(居住継続・保有継続の要件なし)
  • ・同居親族:申告期限まで居住継続+保有継続が必要
  • ・別居親族(家なき子):下の4つをすべて満たすことが必要(居住継続は不要)

家なき子の要件は次の4点です。

  • ・被相続人に配偶者がおらず、同居していた相続人もいないこと
  • ・その親族が相続開始前3年以内に、自己・配偶者・三親等内の親族・特別の関係がある法人が所有する家屋に住んだことがないこと
  • ・その親族が、相続開始時に住んでいる家屋を過去に所有していたことがないこと
  • ・取得した宅地を申告期限まで保有していること

被相続人が老人ホームに入所していた場合でも、要介護認定等を受け、入所後に事業用等に供していないなどの要件を満たせば、従前の宅地は特定居住用となります。

また、相続開始前3年以内に新たに貸付事業に供された宅地は、事業的規模の貸付けを除き、原則として貸付事業用宅地等の対象外です(駆け込み節税の防止)。

併用の限度面積と申告手続き2級からひらく ▼とじる ▲

複数の区分を併用する場合のルールがよく問われます。

  • ・特定居住用(330㎡)+特定事業用(400㎡)は調整なしの完全併用で最大730㎡まで適用できます。
  • ・貸付事業用を含む併用は完全併用できず、「特定事業用等×200/400+特定居住用×200/330+貸付事業用≦200㎡」の調整計算が必要です。

手続き面では次の2点が重要です。

  • ・特例適用で税額が0円になっても相続税の申告は必要です。
  • ・申告期限までに未分割の宅地は、原則として当初申告では適用できません。「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出し、3年以内に分割されれば更正の請求により遡って適用できます。

⚠️ 試験のひっかけポイント

  • ・

    「特定居住用は400㎡まで」は誤り。居住用330㎡・事業用400㎡・貸付用200㎡。面積と減額割合の組み合わせ入替えが最頻出

  • ・

    「貸付事業用は400㎡・80%」は誤り。貸付事業用は200㎡・50%にとどまる

  • ・

    限度面積を超える敷地全体を80%減額するのは誤り。限度面積の割合分だけ減額(440㎡なら330/440を乗じる)。問われているのが「減額される金額」か「算入する価額」かも必ず確認

  • ・

    「貸付事業用も330㎡・400㎡と完全併用できる」は誤り。貸付を含むときは200㎡ベースの調整計算(完全併用は特定居住用+特定事業用の730㎡のみ)

  • ・

    「配偶者にも居住継続・保有継続要件が必要」は誤り。無条件は配偶者だけ。同居親族は申告期限まで居住+保有が必要

  • ・

    「税額が0円なら申告不要」は誤り。特例の適用には申告が必要。未分割の宅地も当初申告では適用不可

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

内容の確認情報

主な一次資料・確認先

  • 国税庁:相続税・贈与税
内容確認・法改正への対応方針を見る →

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