コツコツFP用語辞典
コツコツFP 用語辞典›相続・事業承継

純資産価額方式

1級のみ

FP1級で出てくる用語です。3級・2級では覚えなくて大丈夫です。

非上場株式の評価方法のひとつで、会社を清算したと仮定した純資産額から株価を求めます。評価会社の資産・負債を相続税評価額へ置き換え、その純資産を発行済株式数で割って計算します。会社が保有する土地や株式などの含み益を株価へ反映できます。

計算構造と他方式との対比1級のみひらく ▼とじる ▲

計算の骨格は次の式です。

(相続税評価額による資産−負債−評価差額に対する法人税額等相当額)÷発行済株式数

法人税額等相当額は、評価差額(相続税評価の純資産−帳簿上の純資産)×38%で計算します。防衛特別法人税の創設に伴い、2026年4月1日以後の相続・遺贈・贈与から37%が38%に改正されました。含み益をそのまま株価にせず、会社を清算したと仮定した場合の税負担分を差し引く趣旨です。

表:非上場株式の評価方式の比較(評価の土台・主な適用場面)

計算例:含み益2億円の会社の場合1級のみひらく ▼とじる ▲

前提:相続税評価額による資産10億円・負債4億円、帳簿価額による純資産4億円、発行済株式数10万株

  • ・相続税評価による純資産=10億円−4億円=6億円
  • ・評価差額=6億円−4億円=2億円
  • ・法人税額等相当額=2億円×38%=7,600万円
  • ・1株当たり純資産価額=(6億円−7,600万円)÷10万株=5,240円

帳簿ベースの単純計算(4億円÷10万株=4,000円)より高くなるのは、土地などの含み益が株価に反映されるためです。

評価上の主な留意点1級のみひらく ▼とじる ▲
  • ・課税時期前3年以内に取得した土地・建物は、路線価や固定資産税評価額ではなく、課税時期における通常の取引価額(時価)で評価します。相続直前の不動産購入による評価引下げを防ぐ趣旨です
  • ・株式取得者とその同族関係者の議決権割合が50%以下の場合は、純資産価額の80%で評価できます
  • ・中会社・小会社では、類似業種比準方式との併用方式(Lの割合)を選ぶこともできます

控除割合38%と、3年以内取得の不動産の時価評価は、数字を入れ替えたひっかけの定番です。

⚠️ 試験のひっかけポイント

  • ・

    貸借対照表の簿価純資産を株数で割るだけ、とするのは誤り。資産・負債を相続税評価へ洗い替える

  • ・

    含み益に対応する税負担を一切考慮しないとするのは誤り。評価差額に対する法人税額等相当額を控除する

  • ・

    少数株主には常に純資産価額方式を使うとするのは誤り。原則は配当還元方式

  • ・

    大会社・中会社・小会社の原則方式を入れ替えない。小会社は純資産価額方式が原則

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

内容の確認情報

最終内容確認日:2026.08.05

主な一次資料・確認先

  • 国税庁:国税庁 取引相場のない株式等の評価(純資産価額方式における法人税額等相当額)令和8年3月
  • 国税庁:国税庁 財産評価基本通達 第1節 株式及び出資
内容確認・法改正への対応方針を見る →

関連用語

  • 取引相場のない株式の評価
  • 類似業種比準方式
  • 配当還元方式
  • 宅地の評価
  • 自社株の評価引下げ対策
  • 路線価方式と倍率方式
  • 小規模宅地等の特例
  • 家屋の評価

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