本来なら相続人になれるはずの人から、相続する資格を失わせる2つのしくみです。どちらも相続権を奪う点は同じですが、理由と手続きが違います。
相続欠格
- ・重大な非行があった人が、特別な手続きを要せず、法律上当然に相続権を失うしくみです。
- ・例:被相続人や先順位の相続人を故意に死亡させた、詐欺・強迫で遺言をさせた・妨げた、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した、など。
推定相続人の廃除
- ・被相続人に対する虐待・重大な侮辱・著しい非行があった場合に、被相続人が家庭裁判所に請求して相続権を失わせるしくみです。
- ・生前に請求するほか、遺言によって廃除することもできます(この場合は遺言執行者が請求)。
表:相続欠格と廃除の比較(理由・手続き)
- ・「廃除は相続人自身が申し立てる」は誤り。廃除を請求するのは被相続人です。
- ・欠格・廃除で相続権を失っても、その人の子は代襲相続できます(放棄では代襲しない点と対比)。
相続欠格と廃除の違い
どちらも相続人から相続する資格を失わせるしくみですが、理由と手続きが違います。
表:相続欠格と推定相続人の廃除の比較(理由・手続き)
廃除は生前に請求するほか、遺言でもできます(この場合は遺言執行者が家庭裁判所に請求します)。欠格は「当然に」、廃除は「被相続人の請求で」という主体・手続の違いが軸です。
廃除できる相手と取消し
廃除の対象になるのは、遺留分を有する推定相続人(配偶者・子・直系尊属)です。兄弟姉妹には遺留分がないため、廃除の対象になりません。財産を渡したくなければ、遺言で他の人に相続させれば足りるからです。
また、被相続人はいつでも、家庭裁判所に廃除の取消しを請求できます(民法894条。遺言による取消しも可能)。一方、相続欠格には取消しの制度がありません。
- ・廃除:被相続人の意思で「かける」ことも「外す」こともできる
- ・欠格:法律上当然に生じ、取り消す手続きがない
欠格・廃除でも子は代襲相続できる
欠格や廃除によって相続権を失っても、その人の子は代襲相続できます。相続資格を失うのは本人へのペナルティであって、子には責任がないからです。
- ・欠格・廃除:代襲相続あり
- ・相続放棄:はじめから相続人でなかったものとされ、代襲相続なし
「相続資格を失う3つの場面(欠格・廃除・放棄)のうち、代襲が起きないのは放棄だけ」と対比して覚えます。
⚠️ 試験のひっかけポイント
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「廃除は相続人自身が家庭裁判所に申し立てる」は誤り。廃除を請求するのは被相続人
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欠格を「家庭裁判所の手続が必要」とするのは誤り。相続欠格は何らの手続を要せず法律上当然に相続権を失う
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詐欺・強迫によって被相続人に遺言をさせた者を「欠格事由にあたらない」とするのは誤り。相続の欠格事由に該当する
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関連論点として、父母の一方のみを同じくする(半血)兄弟姉妹の相続分を「全血兄弟姉妹と同じ」とするのは誤り。全血兄弟姉妹の2分の1
執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro
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