相続人の間で取り分が偏らないよう、過去の事情を考えて取り分を調整するしくみです。
- ・特別受益 … 生前に特別な贈与などを受けていた人。もらいすぎないよう取り分を調整。
- ・寄与分 … 財産づくりや維持に特別に貢献した人。そのぶん取り分を上乗せ。
「もらった人は控えめに、貢献した人は多めに」と公平に近づけるイメージです。
FP2級から出てくる用語です。3級では覚えなくて大丈夫です。
相続人の間で取り分が偏らないよう、過去の事情を考えて取り分を調整するしくみです。
「もらった人は控えめに、貢献した人は多めに」と公平に近づけるイメージです。
共同相続人の中に、被相続人から婚姻や生計の資本として生前贈与(や遺贈)を受けた者(特別受益者)がいる場合、その贈与額を相続財産に加えて(持ち戻して)各相続人の具体的相続分を計算するのが原則です。もらった人の取り分はその分減ります。
ただし、被相続人が持戻し免除の意思表示をしていれば加算しません。とくに、婚姻期間20年以上の夫婦の一方が他方へ居住用不動産を贈与した場合は、持戻し免除の意思表示があったものと推定されます(あくまで推定で反証は可能)。
被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした共同相続人には、法定相続分に上乗せして受け取れる寄与分が認められます。特別受益が取り分を減らす方向なのに対し、寄与分は取り分を増やす方向で、向きが逆です。
寄与分は、まず共同相続人の協議で定めます。協議が調わないときは家庭裁判所が定めます。特別受益・寄与分は、相続人間の公平を図る民法上の調整であり、相続税の課税価格の計算とは別の概念です。
相続人以外の親族(例:長男の妻)が、無償の労務提供により被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした場合、相続人に対して金銭(特別寄与料)を請求できます。寄与分(対象は共同相続人)と特別寄与料(対象は相続人以外の親族)は混同しやすいので区別します。
似た3つの制度は「誰が対象か」と「取り分がどちらへ動くか」で整理すると混同しません。
表:特別受益・寄与分・特別寄与料の比較
特別受益と寄与分はどちらも共同相続人が対象で、民法上の公平を図る調整です。特別寄与料だけは対象が相続人以外の親族(長男の妻など)で、相続税では遺贈により取得したものとみなされ課税されます。
「特別寄与料は、相続人であるか否かを問わず親族が請求できる」は誤り。請求できるのは相続人以外の親族に限られる
持戻し免除の推定を「婚姻期間10年以上」とするのは誤り。正しくは婚姻期間20年以上の夫婦間の居住用不動産の贈与
特別受益と寄与分の向きの混同に注意。特別受益は取り分が減る、寄与分は増える方向で逆
特別寄与料を受け取った者の課税を忘れやすい。遺贈により取得したものとみなされ相続税の対象(2割加算は続柄で判定し、長男の妻などは加算される)
遺留分を算定する財産に算入される相続人への生前贈与は、原則相続開始前10年間にされたものに限られる
主な一次資料・確認先
特別受益・寄与分を、問題で身につける
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