コツコツFP用語辞典
コツコツFP 用語辞典›ライフプランニング

高額療養費

3級から

FP3級から出てくる用語です。2級・1級でも必要になります。

1か月の医療費の自己負担が上限を超えたとき、超過分が後から戻る健康保険の制度です。大きな入院や手術による家計の負担を抑える制度です。

病院の窓口で支払う自己負担には、1か月単位の上限があります。

支給のしくみと要件

高額療養費は、同一月(暦月)単位で計算し、窓口で支払った自己負担額が所得区分に応じた自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です。

  • ・計算は1年単位ではなく月単位。月をまたぐと自己負担額は合算できません
  • ・限度額は全員一律ではなく、年齢・所得区分に応じて異なります
  • ・同一月内なら複数の医療機関の自己負担を合算できます。70歳未満の世帯合算では、医療機関ごと・入院外来別に21,000円以上の自己負担額が合算対象です

対象は保険診療分のみ。入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料は対象外です。

ここからFP2級で覚える範囲
計算方法(FP2級実技の定番)2級からひらく ▼とじる ▲

所得区分「ウ」(標準報酬月額28〜50万円)の自己負担限度額は次の式で求めます。

限度額 = 80,100円 +(総医療費 − 267,000円)× 1%

式に入れるのは総医療費(10割分)で、窓口負担(3割)ではない点が最重要です。

計算例: 総医療費90万円・窓口負担27万円(3割)の場合

  • ・限度額 = 80,100円 +(900,000円 − 267,000円)× 1% = 86,430円
  • ・高額療養費(支給額)= 270,000円 − 86,430円 = 183,570円

設問が「自己負担限度額」を聞いているのか「高額療養費(支給額)」を聞いているのか、最後まで読んで答え分けましょう。

なお区分ウの限度額は2026年8月から85,800円+1%へ段階的に引き上げられる予定ですが、現行は80,100円+1%です。

負担を軽くする周辺ルール

限度額を超えそうなときに使えるしくみもセットで問われます。

  • ・限度額適用認定証: 事前に提示すれば(マイナ保険証なら不要)、窓口での支払い自体を限度額までに抑えられます
  • ・多数回該当: 直近12か月に3回以上該当すると、4回目から限度額が下がります
  • ・世帯合算: 1人・1回の自己負担では限度額に届かなくても、同一月・同一世帯(同じ医療保険の加入者)の自己負担を合算し、合計が限度額を超えれば超えた分が支給されます

「21,000円以上」とは何か(世帯合算の足切り)

世帯合算でネックになるのがこの21,000円です。70歳未満の人は、窓口で払った自己負担のうち1件21,000円以上になったものだけが合算対象で、21,000円未満の少額な負担は合算に含められません。

  • ・「1件」は医療機関ごとにカウントし、さらに同じ病院でも医科・歯科は別、入院・外来(通院)も別に21,000円以上かを判定します
  • ・例:夫の入院25,000円+妻の通院22,000円は各々21,000円以上なので合算の対象となり、合計47,000円を限度額と比べます(合計が所得区分ごとの限度額以下なら支給はありません)。一方、子の通院5,000円は21,000円未満なので合算に入れられません
  • ・70歳以上にはこの21,000円の足切りがなく、少額の負担もすべて合算できます(70歳未満だけのルール)

また、名前の似た制度・役割の違う制度との区別も頻出です。

  • ・高額療養費:医療費が高いとき、限度額を超えた分を戻す
  • ・傷病手当金:病気で働けず給料が減った分を補う(休業中の生活費)
  • ・高額介護合算療養費:医療と介護を合算する別制度

「医療費を助けるか、収入を助けるか」で区別するのがコツです。

⚠️ 試験のひっかけポイント

  • ・

    「1年間(暦年)の自己負担で判定」と出たら誤り。高額療養費は同一月(暦月)単位。月をまたぐと合算できない

  • ・

    「限度額は全員一律(月額80,000円など)」と出たら誤り。年齢・所得区分に応じて異なる

  • ・

    「同一の医療機関の分のみ対象」と出たら誤り。複数の医療機関の自己負担を合算できる(70歳未満は21,000円以上が対象)

  • ・

    限度額の計算式に入れるのは総医療費(10割分)。窓口負担(3割)を入れて「80,100+(270,000−267,000)×1%」とするのが典型的な誤り

  • ・

    問われているのが「自己負担限度額」か「高額療養費(支給額)」か、設問を最後まで読む。支給額=窓口負担−限度額

  • ・

    食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料も対象、と出たら誤り。対象は保険診療分のみ

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

内容の確認情報

主な一次資料・確認先

  • 厚生労働省:社会保障全般
内容確認・法改正への対応方針を見る →

関連用語

  • 健康保険のしくみ
  • 標準報酬月額
  • 傷病手当金
  • 出産育児一時金・出産手当金
  • 任意継続被保険者
  • 国民健康保険
  • 後期高齢者医療制度
  • 公的介護保険

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