コツコツFP用語辞典
コツコツFP 用語辞典›ライフプランニング

老齢年金の繰上げ・繰下げ

3級から

FP3級から出てくる用語です。2級・1級でも必要になります。

老齢年金を受け取り始める時期を、標準の65歳より早めたり遅らせたりできるしくみです。年金の受け取り方を考える場面で登場します。

  • ・繰上げ…受給を早める代わりに、年金額が減ります。
  • ・繰下げ…受給を遅らせる代わりに、年金額が増えます。

「早くもらう分は少なく、待った分は多く」というトレードオフと捉えると、方向を間違えません。

率と年齢(繰上げ0.4%減・繰下げ0.7%増)

受給開始を65歳より早めるか遅らせるかで、金額が生涯変わります。

表:老齢年金の繰上げ・繰下げ比較(請求年齢・増減率・最大)

計算例:65歳時81万円を60歳0か月で繰上げた場合。

60月×0.4%=24%減となり、810,000×0.76=615,600円です。

75歳0か月まで繰下げた場合は、0.7%×120月=84%増です。増減した額は生涯続きます。

なお、1962年4月1日以前生まれの旧率は繰上げ0.5%減です。

同時/別々の違いと取消しの可否

繰上げと繰下げでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の扱いが逆になります。

  • ・繰上げは基礎と厚生を同時に請求しなければなりません(片方だけの繰上げは不可)
  • ・繰下げは基礎と厚生を別々の時期から受給開始できます

繰下げの申出は65歳から最低1年待つため、66歳以降でないとできません(「65歳6か月から」は不可)。

繰上げ請求は取消し不可で、事情が変わっても65歳からの本来額には戻せません。付加年金は老齢基礎年金と同時・同率で繰上げ・繰下げされます。

繰上げの副作用と繰下げ待機中の死亡

繰上げは減額以外にもデメリットがあります。繰上げをすると障害基礎年金や寡婦年金が受給できなくなります。国民年金の任意加入・追納もできなくなります。

繰下げ待機期間中に受給権者が死亡した場合、遺族に支払われる未支給年金は0.7%の増額分を反映しない65歳時点の本来額がベースになります。

また、加給年金・振替加算は繰下げによる増額の対象外です。

⚠️ 試験のひっかけポイント

  • ・

    率の入替えが最頻出。繰上げは0.4%減、繰下げは0.7%増(「繰上げ0.7%減・繰下げ0.4%増」は誤り)

  • ・

    「基礎のみ繰上げして厚生は65歳から」は誤り。繰上げは基礎と厚生を同時に請求する(別々にできるのは繰下げ)

  • ・

    「繰下げは65歳6か月から申出できる」は誤り。最低1年待つため66歳以降

  • ・

    「繰上げ請求は後から取り消せる」は誤り。繰上げは取消し不可で減額は生涯続く

  • ・

    「繰下げ待機中に死亡すると増額後の額で未支給年金がもらえる」は誤り。増額されない65歳時点の本来額がベース

  • ・

    「繰下げの上限は70歳」は誤り。2022年4月から75歳(最大84%増)。付加年金が据え置かれるとするのも誤り(基礎と同率で増額)

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

内容の確認情報

主な一次資料・確認先

  • 日本年金機構:年金の制度・手続き
内容確認・法改正への対応方針を見る →

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  • 付加年金
  • 老齢厚生年金

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