貯蓄性が高く、預金の利息に近い性格をもつ一部の一時払保険は、「金融類似商品」として預金利息などと同じように源泉分離課税されます。
対象になるのは、次の要件をすべて満たす一時払養老保険などです(所得税法174条・同施行令298条)。①保険期間5年以下(5年超でも5年以内に解約したものを含む)、②一時払または一時払に準ずる払込み(初年度に総額の1/2以上、2年で3/4以上を払い込む方法)、③保障倍率が低いこと、すなわち普通死亡保険金が満期保険金額の1倍以下(同額以下)、災害死亡等の割増部分が満期保険金額の5倍未満であること。
「一時払+5年以内」だけで自動的に該当するわけではありません。金融類似商品に当たれば源泉分離20.315%、当たらなければ一時所得として扱われます。この差益(満期保険金・解約返戻金 − 払込保険料)には20.315%の税率がかかり、その内訳は所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%です。源泉徴収で課税が完結するため、原則として確定申告は不要です。
注意したいのが一時払終身保険です。終身保険は保険期間の定めがないため、たとえ5年以内に解約しても金融類似商品にはあたらず、差益は一時所得として総合課税されます(源泉分離の例外)。
一時所得となる場合は、差益から特別控除50万円を引き、その残額の2分の1が他の所得と合算されて課税されます。
金融類似商品に当たる要件と課税2級からひらく ▼とじる ▲
次の要件をすべて満たす一時払養老保険などが「金融類似商品」として源泉分離課税されます(所得税法174条・同施行令298条)。
- ・保険期間:5年以下(5年超でも5年以内に解約したものを含む)
- ・払込方法:一時払または一時払に準ずる払込み
- ・普通死亡保険金:満期保険金額の1倍以下(同額以下)
- ・災害死亡等の割増部分:満期保険金額の5倍未満
- ・該当する場合の課税:源泉分離課税20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
- ・該当しない場合:一時所得(特別控除50万円・残額の2分の1が課税対象)
「一時払かつ5年以内」だけで自動的に該当するわけではなく、保障倍率などの要件も満たす必要があります。一時払終身保険は保険期間の定めがないため、5年以内に解約しても金融類似商品には当たらず、差益は一時所得です。
計算例:一時払養老保険の満期差益2級からひらく ▼とじる ▲
前提:保険期間5年の一時払養老保険(金融類似商品の要件を満たす)。一時払保険料500万円、満期保険金520万円。
- ・差益 = 520万円 − 500万円 = 20万円
- ・税額 = 20万円 × 20.315% = 40,630円
源泉徴収だけで課税が完結し、原則として確定申告は不要です。他の所得と合算されないため、給与の高い人でも税率は変わりません。
同じ差益20万円でも、一時所得として扱われる場合は特別控除50万円の範囲内に収まり、課税されないことがあります。金融類似商品に当たるかどうかで、手取りが変わる典型例です。
一時払養老保険以外の金融類似商品2級からひらく ▼とじる ▲
源泉分離課税される金融類似商品は、保険以外にもあります。いずれも「実質は預金の利息に近い利益」という共通点があります。
- ・定期積金の給付補塡金
- ・抵当証券の利息
- ・貴金属などの売戻し条件付売買の利益(金投資口座など)
- ・為替予約付きの外貨建預貯金の為替差益(換算差益)
- ・保険期間5年以下などの要件を満たす一時払養老保険・一時払損害保険などの差益
外貨預金では、為替予約の有無で扱いが分かれます。あらかじめ為替予約で円換算額を確定させた為替差益は源泉分離課税、為替予約のない外貨預金の為替差益は雑所得として総合課税です。
⚠️ 試験のひっかけポイント
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「一時払で保険期間が5年以内であれば、自動的に金融類似商品として源泉分離課税される」は誤り。保険期間5年以下・一時払・普通死亡が満期の1倍以下・災害割増が5倍未満の要件をすべて満たす必要がある
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「一時払終身保険を5年以内に解約した差益も源泉分離課税される」は誤り。終身保険は保険期間の定めがないため金融類似商品に当たらず、差益は一時所得として総合課税される
執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro
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