コツコツFP用語辞典
コツコツFP 用語辞典›タックスプランニング

退職所得

3級から

FP3級から出てくる用語です。2級・1級でも必要になります。

会社を辞めるときに受け取る退職金による所得です。退職金は長年働いたことへのねぎらいであり、老後の大切な生活資金でもあります。

そのため税金の負担がとくに軽くなるよう配慮されているのが特徴です。「長年の勤めに報いるお金だから、税金もやさしめ」と捉えるとよいです。

退職所得控除額の計算

退職所得控除額は勤続20年を境に単価が変わります。

表:退職所得控除額の計算式(勤続20年以下・20年超の区分別)

800万円は「40万円×20年」の結果なので、暗記がぶれたら自分で導出できます。 例:勤続30年なら

800万円+70万円×10年=1,500万円
  • ・勤続年数の1年未満の端数は切上げ(28年4か月→29年)。納税者有利の取扱いです
  • ・障害者になったことが直接の原因で退職した場合は100万円加算

退職所得の金額と課税方法

退職所得=(収入金額−退職所得控除額)×1/2。この1/2が退職所得の最大の特徴で、掛け忘れが定番の誤答です。

例:勤続28年4か月・退職金2,200万円の場合

  • ・勤続年数:切上げで29年
  • ・控除額:800万円+70万円×9年=1,430万円
  • ・退職所得:(2,200万円−1,430万円)×1/2=385万円

退職所得は申告分離課税で、他の所得と合算せず総所得金額にも算入しません。退職金は一度にまとまって入るため、総合課税の累進税率に乗せないよう配慮されています。

なお死亡退職金(死亡後3年以内に支給が確定したもの)は退職所得ではなく相続税の課税対象です。

受給に関する申告書と源泉徴収

「退職所得の受給に関する申告書」の提出有無で手続きが大きく変わります。

表:退職所得の受給に関する申告書の提出有無による源泉徴収・確定申告の比較

提出すれば課税関係が完結して確定申告は不要です。提出しなかった場合は、退職所得控除が考慮されずに収入金額に対して一律20.42%が源泉徴収されます。

そのうえで、確定申告で本来の税額と精算します。納めすぎなら還付されますが、結果が必ず還付になるとは限りません。「提出しても確定申告が必要」といった手続きのすり替えに注意しましょう。

ここからFP2級で覚える範囲
1/2課税の例外と受取方法による区分2級からひらく ▼とじる ▲

勤続5年以下の退職金には1/2課税の制限があります。

表:退職手当等の区分別1/2課税の適用可否(特定役員・短期・一般)

「特定役員=300万円基準」への差替えが定番のひっかけです。

また、確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)の老齢給付金は受取方法で所得区分が変わります。

  • ・一時金で受取り → 退職所得(退職所得控除+1/2課税)
  • ・年金形式で受取り → 雑所得(公的年金等控除の対象)

確定給付企業年金(DB)や小規模企業共済の一時金も同様に退職所得です。

⚠️ 試験のひっかけポイント

  • ・

    勤続年数の1年未満の端数を「切捨て」とするのは誤り。切上げ(納税者有利)。28年4か月なら29年で計算する

  • ・

    ×1/2の掛け忘れが定番の誤答。退職所得は(収入−控除額)を出した後、必ず1/2を掛ける

  • ・

    控除額の40万円(20年以下)と70万円(20年超)の入替え、800万円を700万円とする数字ずらしに注意

  • ・

    「特定役員退職手当等にも1/2が適用される」は誤り。役員等で勤続5年以下は全額1/2不可。300万円基準があるのは短期退職手当等(従業員)の方

  • ・

    「確定拠出年金の一時金は一時所得」は誤り。一時金なら退職所得、年金形式なら雑所得。語感のひっかけに注意

  • ・

    申告書を提出しないと収入金額×20.42%が源泉徴収される。「提出すれば確定申告必要」「未提出でも正規の税額」はどちらも誤り

執筆・編集:コツコツFP編集部/編集長:Taro

内容の確認情報

主な一次資料・確認先

  • 国税庁:タックスアンサー(よくある税の質問)
内容確認・法改正への対応方針を見る →

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  • 10種類の所得
  • 利子所得と配当所得
  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 減価償却
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